アクタージュ scene42『星アキラ』ネタバレ
前回のあらすじ
舞台の上は銀河鉄道の中の場面に移っていく。
それまでのセットと違い、銀河鉄道の車内のセットは木の椅子を四つ置いただけで他は何もないというもの。
それに観客たちは最初は驚くが、阿良也と夜凪の演技を見ているうちに、聞こえる筈のない車窓の窓が開く音が聞こえ、見える筈のない銀河が見えるようになっていた。
銀河鉄道のセットを作らない事を決めたのは巌だった。
銀河鉄道は心の中にある。ならば観客の心に作らせればいい。
そんな巌の言葉を思い出し、七生は舞台の上に巌の存在を感じ立ち直った。
舞台の上の阿良也と夜凪の演技に、千世子は複雑な感情を抱き、アリサはなぜこんな舞台にアキラが受け入れられたのか疑問を感じる。
前回の詳細はこちらの記事をどうぞ

今週のネタバレ
◆アキラの不安
銀河鉄道の夜の物語が進んでいきます。
死にゆく者を乗せて走る銀河鉄道。ただひとりの生者であるジョバンニはまだその事に気付いていない。
ジョバンニと車掌や鳥捕りとのやり取りはじめ、様々な乗客達が二人の前に現れては消えていきます。
そんな乗客達を演じる団員たちの演技をアキラは見つめていました。
元々皆巌に見出された役者たちなのだから一人一人のレベルは高い。けれど今は阿良也と夜凪に引っ張られ、稽古の時の比ではない演技を見せています。
この中で自分の芝居が通用するのか?そんな不安に駆られるアキラを、七生が励まします。
引用:週刊少年ジャンプ50号
そんな七生に「はい」と答えながらも、アキラの不安は拭えませんでした。
劇団員たちにあって自分にはない巌との繋がり。
それを思うと、自分はなぜここにいるのかと考えてしまうのでした。
◆アキラの過去
まだ小さい頃から、アキラはよくアリサに現場に連れてこられていました。
それはアキラを会社の跡継ぎにする為でしたが、肝心のアキラは役者たちに憧れていきます。
そんなアキラにアリサは言います。
子供は皆あぁいう見世物に憧れるもの。あなたはもっと幸せになれる仕事につきなさい、と。
その言葉にアキ
ラは、昔は母さんも役者だったんでしょ?と聞きましたが、アリサは「だから」役者を辞めたのだと答えます。
それにアキラは、きょとんとした表情で更にならスターズの役者たちも皆幸せになれないのかと聞いたのでした。
引用:週刊少年ジャンプ50号
それからアキラは子役として順調に活躍します。それを初めは自分の才能と努力のおかげだと思っていました。
けれどアリサに週刊誌やネットを見るように言われ、自分の活躍はすべてアリサの力によるものだと知ってしまい、部屋に閉じ籠ってしまいました。
部屋に閉じ籠って三日。挫折は早ければ早い方がいいと社員に語り、部屋の中にいるアキラにあなたはこの手の贔屓や批判からは逃れられない。そういう星の下に生まれてきた。何よりあなたは役者には向いていないと声をかけます。
すると、アキラの部屋のドアが開きました。部屋に散らばっていたものはどれも演技の本。アキラは傷ついて逃避する為に部屋に籠っていた訳ではありませんでした。
そしてアキラはアリサに、誰にも母の七光りと言わせないくらいの「本物の役者」になると宣言します。
引用:週刊少年ジャンプ50号
◆アキラの不幸
自分が決意を口にするのは覚悟を決めたからではなく、逃げ出してしまいそうになる自分を無理矢理繋ぎ止めるため。
そう思いながら、アキラは黙々とトレーニングを続けます。
自分の不幸は、自分を取り巻く人々とかけられる歓声に虚しさを覚えてしまう事。
自分の不幸は夜凪には手が届かないと気がついている事。
それでも子供の頃から毎日毎日毎日毎日毎日芝居の事だけを考えて生きてきた。
今更諦められるか。
そう思い、ひたすらトレーニングを続けます。
そして、とうとうアキラの出番がやってきました。
舞台に向かいながら、アキラは心の中でアリサに自分の本当の不幸について語り掛けます。
引用:週刊少年ジャンプ50号
そして自分の本当の不幸は、今ここにいる自分を後悔していないことだ、と。
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今週の感想
今週は丸々星アキラ回でした。
子供の頃からこんなに懇切丁寧に心と自信を粉々にされ続けてきたのなら、天球で何度も何度も巌や亀太郎に言われても、自信が持てないままのはずです。
巌にカッコつけるなと言われても、きっと常にカッコつけていなければ耐えられなかったのではないでしょうか?無自覚の嘘つきというのも、この辺にあるような気がします。
そう言えばデスアイランドの記者会見の時も、アリサにあんまりな扱いをされていました。
しかしそんな環境にあっても、逃げる事なく常に前進し続けてきたアキラは心から尊敬出来ます。
ところで気になるのが、最後に出てきた「本当の不幸」というフレーズです。
巌が入院する前まで、何回も出てきた「本当の幸」と対になっている気がします。
「本当の幸」というキーワードをとても上手く使い、見事に夜凪を死者であり巌の代替者としてのカムパネルラにしたこの作品ですから、きっとまた「本当の幸」と「本当の不幸」というフレーズからアキラを覚醒させてくれると期待しています。
次回は今度こそついにアキラが舞台に立ちます。今週でここまでアキラの過去を掘り下げたのですから、アリサが思っているような結果にはならないと思うのですが……
とにかく、アキラにはこの舞台で絶対に報われて欲しいと思います。