アクタージュ scen43『正しい芝居』ネタバレ
前回のあらすじ
銀河鉄道の夜の舞台がどんどんと進んでいき、天球の団員たちは夜凪と阿良也に引っ張られるように真に迫る演技を見せている。
そんな中で通用するのか?と不安になるアキラ。
アキラは小さい頃から役者に憧れ、子役として活躍するが母・アリサに週刊誌やネットを見るように言われ、自分の活躍はアキラ自身の才能と努力のせいではなく、母の力だと知らされた。
アリサはこれでアキラが役者をやめるかと思ったが、アキラはまだ10歳にして誰にもアリサの七光りだと言わせないくらいの「本物の役者」になると決断する。
そしてこれまで虚しさを感じつつも、毎日毎日役者になる為に努力を続けてきたのだった。
前回の詳細はこちらの記事をどうぞ

今週のネタバレ
◆七生の出番
舞台の上にいる夜凪と阿良也を見詰め、アキラは今から自分は「あの世界」の住人にならなければならないのだと思いますそしてそんな自分はまるで挑戦者だと思いました。
ついに七生とアキラの出番が来ます。
まずは七生が銀河鉄道の車内に入りました。車内を見回してここはどこかしら?と言いながらも、車窓の景色の美しさに見惚れます。
そんな七生に阿良也がこの汽車は銀河を走ってる事を告げると、七生は素敵だと言いながら阿良也たちの向かいの席に着こうとしました。
そんな七生の髪が濡れている事に気付いた阿良也がそれを指摘します。
すると七生は、髪から水を滴らせながら「私達の乗っていた船が沈んでしまったの」と阿良也に言いました。
引用:週刊少年ジャンプ52号
その雰囲気に、会場が飲まれます。
銀河鉄道の乗客の女の子と青年。
タイタニック号の犠牲者と思われる七生たちの登場によってジョバンニと観客たちは乗客達が使者でる事に気付き始めます。
船が沈んだ――その意味がわからずそれはどういう意味か阿良也が聞こうとしますが、その前に七生が、自分が入ってきた方に顔を向け先生も一緒だと言いました。
◆アキラの葛藤
七生の「先生早く」の台詞に、アキラも車内に現れます。
「私達は天へ行くのです」
「ごらんなさい」「あのしるしは天上のしるしです」
舞台の上で、家庭教師の台詞を言うアキラ。
そんなアキラの姿に、アキラのファンらしき女性達が「アキラ君」「カッコイイ」等と反応します。
そんなアキラファンの反応を受け、巌マニアの評論家がアキラの演技を批評します。
整った容姿に綺麗な佇まい、よく通る声。
そして端正な芝居、努力の伺える悪くない役者。
だが……
ここでは台詞の抑揚を意識すべきだ。
三歩前に出て天を仰ぐようにするとより効果的で正しい――
教え子の女の子を元気づける台詞は、自分の不安を押し殺しながら彼女を慮る表情をすべき。
一つ一つ丁寧に、正しい感情を正しく表現する。
正しい感情を正しく――と。
そしてアキラは舞台上で、やけに客席が視界に入る事に気付きます。
台詞を口にしながら、その感覚に戸惑い始めます。
この、自分だけ服を着ているような情けなさ――
引用:週刊少年ジャンプ52号
自分には彼女達とな寺景色が視えていない。
そう感じてしまっているアキラを、天球の団員たちが見守ります。
引用:週刊少年ジャンプ52号
何冊も書いた演技プラン。役の細かな経歴も作って読み込んだ。
稽古までは何とか皆についていけてた。
それを糧になんとか役の正しい心を立て直そうとします。
ここからどうすべきなのか?
考えろ、正しい答えを。導き出せ、どうすべきかを。
そう考えているうちに、「すべき」とは何か、「正しい」とは何かがわからなくなってしまいます。
そんなアキラの様子を観客席で見て、千世子は自分たちにかけられている呪縛を感じます。
「俳優は大衆のためにあれ」
「どうしたいか」よりも「どうあるべきか」を優先してしまう呪い。それが一朝一夕で拭えるものでない事は自分が一番よく知っている。
一つ所に留まっていれば抱かずに済んだ葛藤。
けれど私達は夜凪に出会ってしまった――と。
◆許されない逃避
今、一体どうすべきなのか……
巌の美しい舞台の一員になるためにここにいるはずで、決してこんな芝居をするためではない。
そう考えたアキラの脳裏に、巌の言葉が蘇りました。
『公演は数十日に及ぶ』『進化する芝居こそ演劇だ』
その言葉に、アキラにひとつの考えが浮かびます。
引用:週刊少年ジャンプ52号
もう他の人たちとの絡みも終わり、残るはアキラの独白のみ。
そうしよう。今日の反省を明日に活かそう。
だってもうそう「すべき」だから――
それが一番「正しい」はずだから――
そう思い、今日の芝居を諦めようとしたその時、夜凪が立ち上がりアキラに声をかけました。
「具合が良くないようですけど、大丈夫ですか」
これは夜凪の、アキラに向けたアドリブでした。これに早く返事をしないと。
それがわかっていながらも、アキラは自分がどうすべきなのかわからないのでした。
引用:週刊少年ジャンプ52号
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今週の感想
先週に続きアキラ回です。
先週はアキラの良さがこれでもかと出ていた回でしたが、今週はアキラの欠点が如実に表れた回でした。
今までアキラの芝居が恰好つけているとだけしか表現されていなかったので、アキラの何がいけなかったのか読んでいるだけではわかりませんでしたが、今回で役に入りきれず形だけのものである事なのがわかった感じです。
他の団員たちがみんな演じる役の人間になっている中、自分だけが「アキラ」のままでいる事の気まずさ、居たたまれなさ、恥かしさ、焦りが伝わってきます。
そして、アキラの逃げの決断……
もうこのままではアリサにそれみた事かとか、だから言わんこっちゃないとか、だからお前に役者は無理なんだとか思われてしまうの確定で、これは辛過ぎる……
と思った矢先の夜凪のアドリブで、今回感じていたドキドキの意味が変わりました。
ずっとアキラの失敗に対する不安でドキドキしていたのですが、アキラの逃げを許さなく追い詰めている夜凪のアドリブに、まだアキラの可能性は残されたんだという期待に満ちたものになりましたね。
来週は夜凪のアドリブに応えるうちに、アキラがちゃんと役に入り込み巌の舞台の一員になれる事を期待します!