アクタージュ scene48『別れ』ネタバレ
アクタージュ 前回のあらすじ
カムパネルラを特別に思い、カムパネルラと二人になって嬉しくて堪らないジョバンニを演じる阿良也は、巌との日々を思い出していた。
それにより、阿良也は役とよりシンクロし、役者としての演技はより高みへ至った。
そして劇はとうとうカムパネルラとジョバンニの別れの場面へとなる。
前回の詳細はこちらの記事をどうぞ

アクタージュ 今週のネタバレ

引用:週刊少年ジャンプ6・7合併号
◆進化するジョバンニ
巌の急報で混乱した客席の心を一瞬で取り戻し、卓越した表現力で観客と銀河鉄道の景色を共有させ、客席をジョバンニとカムパネルラの虜にしたジョバンニの演技。
それが今、「孤独」と「幸福」と「別れ」を経て、更に化けていきます。
そんな演技を見て、七生が泣き出しました。
なんでまた泣くんだよと言う亀太郎に、悪態をついて否定しながらも、巌と出会えて、皆とお芝居できて本当に良かったと言います。
引用:週刊少年ジャンプ6・7合併号
舞台の上、どれだけ話しかけても呼びかけても黙ったまま答えないカムパネルラに、ジョバンニが手を伸ばしました。
けれどそのジョバンニの手をすり抜け立ち上がり、車両の出口に向かい歩を進めます。
そしてようやくジョバンニの方に振り向き、「僕もう行かなくちゃ」と声をかけました。
その言葉に、ジョバンニは意味が分からないといった疑問符を投げかけます。
そんなジョバンニの姿に、客席のルイが涙ぐみます。
アリサは、二人の芝居が切なく涙を誘うのは、これまでの旅路と乗客達との出会いを通して、ジョバンニはカムパネルラの死に気がついているからだと考えていました。
「本当は気がついている」のに、現実から目を背ける。
その醜い人間らしさに人は共感するからだと。
◆自覚
残りの芝居はこのままカムパネルラが音もなくジョバンニの元を去り、一人残されたジョバンニは元の世界に戻っていて、そこでカムパネルラの死を教えられるだけ。
それで自分たちの初日はおしまいだ、と、モニターで二人の演技を見ている亀太郎たち団員たちは思っていました。
けれど……
舞台の上、カムパネルラの台詞の意味を問いかけるジョバンニを演じているはずの阿良也は、カムパネルラに巌の姿を見ます。
しかしよく見ればそれはやはりカムパネルラで……
今の自分はカムパネルラを慕うジョバンニなのか、巌を慕う明神阿良也なのか、阿良也の中に、揺らぎが起こります。

引用:週刊少年ジャンプ6・7合併号
そして、阿良也の台詞が止まりました。
◆衝動
阿良也の脳裏に、今回の舞台の稽古が始まってからの巌の姿が浮かび上がります。
巌の身体が日に日に小さくなっていったのは、老いのせいだと思いきかせていた。
巌と夜凪が嘘をついていたのに気がつかないふりをしていた。
本当はずっと前から気づいていたのに……
『意外に人間って自分の気持ちすら自分で分かってなかったりするでしょ』
『自分の気持ちの分からない役者は他人の気持ちも分からない』
それはかつて阿良也が夜凪に言った言葉。
あれは自分のことじゃないか……
そんなことを考えていた時、カムパネルラの、ジョバンニの名を呼ぶ言葉がかけれます。
そして紡がれるカムパネルラの最後の台詞。
「さようなら」
それを聞いた時、阿良也の身体は自然と動いていました。

引用:週刊少年ジャンプ6・7合併号
台本ではそのまま見送るはずになっていたジョバンニなのに、カムパネルラの姿が巌に見えた阿良也は、夜凪の腕を掴み「いやだ」と言ってしまうのでした。

引用:週刊少年ジャンプ6・7合併号
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アクタージュ 今週の感想
ようやくの阿良也の回でした。
これまで七生の見せ場、アキラの見せ場があったので最後はきっと阿良也と夜凪の見せ場が来るんだろうと思っていましたが、ついに!です。
これまで化け物じみた才能の完璧な役者であった阿良也がとうとう綻びを見せ、感情を露わにした訳ですが、そこから溢れ出てきた「いやだ」という台詞がこれまでの阿良也の言葉の中で一番心を打ちました。
それは阿良也にとって巌がいかに大切だったかという事がわかります。
そして、だからこそ気づきたくないことに目を瞑っていたという事実と、そしてもしかしたら巌もそんな阿良也に気づいていたのかもしれないという可能性。
アリサの言う通り、そんな自分に都合の悪い事は見て見ぬ振りをしてしまう事に覚えのある人は多いから、だから読者である我々も阿良也のこの行動に共感してしまう。
そして阿良也のこの変化を見越して夜凪の中に自分を残した巌に、どうしようもない演出家の性をみてしまいます。
ともかく、この終盤に出た阿良也のアドリブに夜凪がどう返すのか、そしてこの劇はどういう着地点を迎えるのか、今から楽しみです。