2019年10月7日発売の『週刊少年ジャンプ』45号に連載されている、
「鬼滅の刃」の第177話のネタバレです。
【鬼滅の刃 前回のあらすじ】
まだ負けていない、と黒死牟は首を落とされてもなお動きました。
体に力を込めることで、出血を止めます。
自分は頸の切断からの死を克服する。
そう強く念じた黒死牟の体に、新たな頭部が再生しました。
その姿はこれまでに比べて遥かに歪な、まさに鬼と呼ぶにふさわしい姿でした。
そんな黒死牟は、実弥の刀に映る自分の姿の醜さに驚きます。
こんなに惨めで、生き恥を晒してまで生きたいのか。
これがなりたかった姿なのか。
黒死牟は自分に問いかけました。
そして一つの真実にたどり着きます。
自分は縁壱になりたかったのだ。
そう認めた黒死牟の体は崩壊していきました。
前回の詳細なネタバレ記事はこちら

【鬼滅の刃 今週のネタバレ】
引用:週刊少年ジャンプ45号
【双子】
黒死牟たちが産まれた頃、跡目争いの原因になるため、双子は不吉とされていました。
弟の縁壱には生まれつき不気味な痣があったことから、父は彼を殺すと言っていたそうです。
しかしそれを聞いた母が怒り、その結果殺されることはありませんでした。
その代わりに10歳になったら寺へ行かせ、出家させる手筈となったのです。
二人は部屋も着物も教育も、食べる物さえ大きく差をつけて育てられました。
そのせいか縁壱は母離れが出来ず、見るたび母の左脇にぴったりとくっついていたのです。
幼かった黒死牟は、そんな縁壱を可哀想だと思っていました。
黒死牟は縁壱に与えられた三畳の小さな部屋に、父の目を盗んで遊びにいきました。
自分の持ち物をやると気づかれるので、笛を作って渡します。
縁壱は赤子の頃からにこりと笑うことすらしませんでした。
7歳の頃まで喋らなかったので、耳が聞こえていないと思われていたのです。
【侍】
それが違うとわかったのは、7歳になった頃、黒死牟が庭で素振りをしていた時のことです。
縁壱は音もなく松の木の影に立っており、それだけでも内心肝を冷やした、と黒死牟はいいます。
そんな縁壱は、突然黒死牟に話しかけました。
兄上の夢は、この国で一番強い侍になることですか?
初めて口を利いたと思えば流暢に喋りかけられ、息が止まるほど驚いて、黒死牟は木剣を取り落とします。
それから縁壱は突然自分も侍になると言い出しました。
しかし縁壱は10歳になると寺へ追いやられ、僧侶になると決まっています。
そのことをわかっているのかいないのか。
この時縁壱は初めて顔を綻ばせて笑いました。
黒死牟はそれに、気味の悪さを感じたのです。
【縁壱の強さ】
命をかけて戦う侍は、母親を見ればすぐしがみつきに行くような者がなれる筈がない、と黒死牟は思っていました。
しかしそれ以後、縁壱が稽古中に教えて欲しいと来るようになったのです。
それを見た剣技を指南していた父の輩下が、戯れに袋竹刀を持たせました。
そして持ち方と構え方を口頭で軽く伝えただけで、打ち込んでみろと父の輩下は構えます。
次の瞬間。
呼吸を整えた縁壱は、素早く攻撃し、竹刀で足元を救って父の輩下を吹き飛ばしたのです。

引用:週刊少年ジャンプ45号
黒死牟がどれほど打ち込んでも一本取れなかった父の輩下は、瞬く間に縁壱から四発叩き込まれ失神しました。
七つの子供に打たれた首、胸、腹、足は骨に異常はなかったものの、拳大に腫れ上がったそうです。
しかし縁壱はそれから侍になりたいと言わなくなりました。
縁壱にとって、人を打ち付ける感触は耐えられなかったのです。
縁壱の強さの秘密を知りたかった黒死牟は、縁壱に食い下がって詰め寄りました。
すると縁壱には、生き物の体が透けて見えるのだとわかります。
それは生まれつきの痣と同じ、生まれつきの特別な視覚でした。
そしてそれに即応できる身体能力を持っているのです。
ここで黒死牟は気付きました。
これまで哀れんでいた縁壱は、自分より遥かに優れていたことを。
【真実】
この日から立場が逆転した、と黒死牟は感じました。
家を継ぐのは縁壱で、自分が代わりに寺へ追いやられるのだと考えていた時。
縁壱から突然、母が死んだと知らされました。
縁壱は今から寺へ発つつもりで、別れの挨拶をしに来たのだと言います。
そんな縁壱は、大切そうに包まれた笛を取り出しました。
この笛を兄だと思い、どれだけ離れていても挫けず頑張るのだと、縁壱は微笑みます。

引用:週刊少年ジャンプ45号
黒死牟は、何故そんな笛を大切そうにしているのかわかりませんでした。
気味の悪さを感じ、何も言葉を返しません。
すると縁壱は満足した様子で頭を下げ、そのまま何処かへ行ってしまったのです。
その後、母の日記で黒死牟は真実を知りました。
縁壱は自分が後継ぎにされることに気づき、予定より早く家を出ることにしたそうです。
母の病や死期についても縁壱はわかっていました。
母は何年も前から左半身が不自由になり苦しんでいたのです。
縁壱はいつも母にしがみついていたのではなく、支えていたのでした。
その事実に、黒死牟は嫉妬で全身が灼けつく音を聞いたといいます。
そして縁壱という天才を、心の底から憎悪しました。
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【鬼滅の刃 感想】
今週は黒死牟の過去が描かれていました。
双子として生まれた黒死牟と縁壱は、その時から数奇な運命の中にいたのかもしれません。
可哀想だと思っていた縁壱が、実は天才だったと知った時の黒死牟の気持ちは、計り知れないものだったでしょう。
周りがそうさせたとはいえ、同じ双子なのに差をつけられて育ったのです。
自分が上なのだと思っていたのも仕方ないことでしょう。
しかし幼い縁壱にとって、兄が自分の元へ遊びに来てくれたことは、何より嬉しいものだったに違いありません。
侍になりたいと言ったのも、兄と同じことがしたかったという純粋な気持ちからでしょうね。
家を出る時、縁壱はかつて黒死牟が贈った手作りの笛を大切そうにしまいました。
その時の姿を見ると、とても切ない気持ちになります。
縁壱はきっと、ずっと兄を尊敬し、大好きだったのでしょう。
だからこそ鬼となった兄と対峙した時、涙を流したのです。
この過去編は次回もまだ続くようです。
寺へ向かったはずの縁壱がどうして剣士となったのか、その辺りも気になりますね!