花とゆめ1号12月5日発売
それでも世界は美しい 第121話陥穽
【前話のあらすじ】
ニケを残し、一人リヴィウスはウルスラを止めに神殿へと向かいます。御守りにと、ニケからもらった髪の毛がいけなかったのか、ついに神殿の装置が作動してしまいます。ついに発動してしまった装置。
“雨人、天を裂き、一つの地、三つの国を滅ぼす”
ウルスラは正気に戻りますが、アルは世界の破滅を喜んでいます。
神殿の溶けないはずの氷も溶けてきてしまい?!
【第121話ネタバレ】
引用:花とゆめ1号
「また揺れた…っ」
異常事態にニケは焦ります。ニケのいる所でも氷が溶けてきました。
皆に知らせないとと、ドアを開けると外はいつの間にか嵐になっています。
ニケは悪い予感がすると嵐の中、リビの元へ行こうとします。そこに
「行ける。正確には”行ける”とされておる。
神殿手前の聖域までじゃが、この氷の洞窟、そこと繋がっているという話じゃ」
とおじいさん。
おじいさんの祖父は聖域管理の要職についており、最北の研究をしていたそう。
「最北の土地には災いが眠っていて、氷の王国の氷はそれを封印しているという。
実際 万年氷が自然と溶けるなんてはじめてしゃ。嫌な感じがする」
ニケたちは氷の洞窟を進むことにしました。
【一方のリビは?】
アルは事態に冷静な態度です。そんなアルにリビは掴みかかりますが、
「言ってただろ、”これより先の機能停止は受け付けられません”って」
「近日中に世界は滅びるよ」
「そして今、最北の道も開かれつつある」
「”あまねく世界を支配する”本当の力。やっと会える。行かないと」
引用:花とゆめ1号
アルを追いかけようとしますが、足元の岩が急に崩れ落ちます。
(ちくしょう。俺はいつもお前に届かない)
目が覚めたリビ。
(全身、痛くてたまらねぇ…
けど、体は動かせる。)
なんだか少し暖かい空気が周りにあります。
(そういえば落下した時、何かに包まれて衝突をやわらげたような)
(仕組みはさっぱりだが、あれ(装置)が俺を守ってくれたらしい)
物思いにふけっていると
「ネロ!!ネロっ、目を開けて!!」
というウルスラの声が。
【ウルスラの前には瀕死のネロの姿…】
引用:花とゆめ1号
(息はある。今すぐ処置できれば、まだ…)
(崩落は続いている。上からの助けを待つことはできない)
「ウルスラ、とにかく安全なとこへ…」
「ネロの息が止まった…
体もどんどん冷たくなってく」
リビたちの後ろの岩が崩れそうになります。
「ウルスラっ、早く」
「もういい。私はもういい」
「ネロまでいなくなったらもう生きていてもしかたない」
引用:花とゆめ1号
「私は償えない罪を負った。だからここでネロと一緒にいくわ」
(ついに一度も好きだと言えなかった。
次、生まれかわるのなら、あなたに愛される存在になりたい。なんの隔たりもない世界にーーー…)
リビはウルスラを退け、人工呼吸をします。
ネロの息が戻りました。
「ネロを動かしたくはないが仕方ない。
あとな、手ぇ出せ、これつけてネロにぴったりくっついてろ」
「これがあれば多少体の周りが暖かくなるし、さっきみたいな崩落があっても”魔法”が助けてくれる」
「たっ助かるつもりなの?この状況で?できっこないわ」
「だろうな。でも俺は決めてるんだ。運命には支配されない」
引用:花とゆめ1号
「それに命を放る程度で犯した罪を償えるとは思わない。憎まれる側になった自覚があるなら尚さら軽く自分を扱うな。傷めつけた奴らが自分めがけて怨みをぶつけてこられるくらいふてぶてしくなってろ」
「だからお前は俺を殺していい。ただし、ここを無事に出られたらだ」
リビの言葉はウルスラに届いたようです。
【三人の元に地下水が】
ウルスラの人工呼吸により、ネロの意識が戻りました。
早速ネロを抱えて地下水から逃げる三人。
風が吹いていた隙間に逃げ込みます。
隙間の先には道が続いていました。ネロの調子をみて、進むことにします。
水際にうずくまるリビ。そのリビの背中を押そうとするウルスラ。今はだめだと思い留まります。
(殺すのはいつでもできる。心を許したわけじゃない)
必死で三人は地下水から逃げます。
やがて出口が近づいてきた模様。
しかし、その出口は到底登れるとは思えない高さにありました。
ウルスラがまず登ります。なんとかルートを確保できたウルスラ。次にネロを引き上げます。
最後に残ったリビ。
「俺も今行…」
と言った途端、足元が崩れ落ちます。
体制を崩すリビ。
【感想】
四つの国を滅ぼす装置が起動してしまっただけでも大変なのに、リビたちには次々と困難が押し寄せました。緊迫感が増すお話。
そんな中でも折れないリビが格好良かったです。
リビは一体どうなってしまうのか。
次号2号(12月19日発売)に続きます。