憂国のモリアーティ ♯29『The Riot in New Scotland Yard Act 1』ネタバレ
前回のあらすじ
切り裂きジャックたちが集まった所に乗り込むウィリアムとルイス。
そこで切り裂きジャックたちの意見を聞くが、革命という大義の為なら弱い者たちが犠牲になるのは当然だと言う主張に、ウィリアムたちは切り裂きジャックたちの皆殺しを実行する。
その様子を察知し、モランたちも撤退した。
切り裂きジャックたちの死体はこのままにしてもいいのかと問うルイスに、このままにしておけばいずれホームズが真相に辿り着く。
その時、ホームズが「都合の悪い真実」と「都合の良い嘘」、どちらを取るかの反応を見たいと答えた。
そして現場を去るが、その時の姿をチャールズに見られてしまう。
ウィリアムの予想通り現場からホームズは真実に辿り着くが、とてもそれを公表する事は出来ずに「都合の良い嘘」の選択をするが、ワトソンにだけは真実を語った。
そのホームズの選択を知り、ウィリアムは次の手を考えるのだった。
今月号のネタバレ
◆MI6にて
ロンドンの街にジャック・ザ・リッパーが捕まったとの報が流れました。
これでようやくホワイトチャペルも落ち着くと市民たちは喜びます。
MI6には、マイクロフトが訪れてきました。
アルバートが提出していた報告書を読み、市警と自警団の対立を収めたモリアーティ兄弟たちの事を評価しながらも、存在しないはずのジャック・ザ・リッパーが逮捕されたのが問題だとアルバートに告げます。
これが市警による冤罪事件であるのは明白だと言うマイクロフトに、アルバートは市警のメンツの為に、市警がこのような手段をとる事は想定内だったと語ります。
この捏造を知る者は自分たちとシャーロックだけで、それ以外の人間は冤罪だとは思わないだろう。一人の罪なき市民が全ての自由と未来を奪われようとしている訳だが……
そうマイクロフトに試すように言われ、アルバートは躊躇う事なく自分たちのする事を告げました。
引用:ジャンプスクエア1月号
アルバートのその言葉を聞くと、満足そうにマイクロフトは去っていきました。
マイクロフトを乗せた馬車が去っていくのを窓から確認すると、アルバートはマネーペニーにボンドを呼び出すように言います。
今回の任務は市警本庁舎内への潜入工作も含まれるので、その点に関して既に何度も成功しているボンドは適任だろうとマネーペニーに説明します。
そしてもう一人、ロンドン警視庁の「内通者」にも連絡しておいてくれとアルバートは言いました。
◆ロンドン警視庁にて
ロンドン警視庁の閉じられた門の外には、たくさんの市民たちが押し寄せています。
ジャックを出せと叫ぶ者、裁判の事を聞く者、逮捕までに時間がかかり過ぎだと怒る者、自警団にマスコミに野次馬にと様々です。
そんな市民たちの様子を二階の窓から見つめているレストレードに、パターソンが話しかけました。
今回の逮捕劇に不信感を抱いているレストレードは、パターソンにジャック・ザ・リッパーを逮捕した警官たちに指示をしたアータートン主任警部をどう思っているのか探りを入れます。
それに対するパターソンの返答に、自分と同じ事を考えていると確信したレストレードは、会話が誰にも聞かれない資料室へと移動しました。
二人は、このジャック・ザ・リッパー逮捕に関する自分たちの考えを述べていきます。
今回逮捕された犯人は冤罪。そしてそれを企てたのはこれまでの捜査手法や犯人が逮捕出来なかった時に被る処遇を考えても、アータートン主任警部に違いない。
そんなアータートン主任警部のやり方に、レストレードは憤ります。
そしてこれからどうするかを語り合います。普通に冤罪だと告発しても、無実の市民は救えてもアータートン自身が裁かれる事はないだろう。
パターソンがそう言うと、レストレードはしばし考え込んだ後、これまでも証拠を捏造していたならば、捏造工作をする為の裏金があるはずだと言いました。
その裏金用の裏帳簿がある。しかしそれを見つけても、内部の人間が告発しても揉み消される可能性が高い。
だから外部の人間……世間で正義だと思われている第三者にそれを証明して貰えばいい。
そこまで話が進んだ時、レストレードはその第三者にシャーロックを思いつきます。
そして彼を説得しようとベーカー街に向かいました。
そんなレストレードに、パターソンは上手く誘導出来たと笑みを浮かべるのでした。
引用:ジャンプスクエア1月号
◆ボンドの活躍
今回の任務を請け負ったボンドがQ課にやって来ました。
Qはそこで、ボンドの為に作った自動拳銃を渡します。
銃を手に取るボンドの隣で、Qは銃の特性を得意気に語り続けます。
すると、ボンドが部屋の中にあるひとつの発明品に気が付きました。
特別仕様の自動車です。
石炭ではなく、新世代の燃料ガソリンを使った自慢の自動車に、Qは更に興奮しながらこの自動車がいかに素晴らしいかを語ります。
しかし、ボンドが乗りたがると、反対を始めます。
自動車に興味のわいたボンドは色々言ってQから自動車に乗る許可を得ようとしますが、Qは騙される事なくボンドの野望を阻止します。
仕方がない、とボンドは諦めますが、自動車を見る瞳は輝いたままでした。
その頃、相変わらずロンドン警視庁の門に押し掛ける市民を見つめているアータートンがいました。
ともかく、ジャック・ザ・リッパーの逮捕こそが、市民全体にとっても市警全体にとってもベストな解決方法なのだと自身に言い聞かせています。
そこに、容疑者の弁護士が面会を要求しているという連絡が入りました。
裁判が始まる前に必ず自供を引き出し調書に署名させなければならないと考えるアータートンは、それまで絶対に弁護士に面会させないように指示します。
その口実として、庁舎の警備レベルを上げるようにしろと命じました。
その会話をドア越しに聞いていたパターソンは、そのまま庁舎を出て、市内のバーに向かいました。
バーに着き、しばらく経ちましたが待ち合わせの相手が来ません。
相手は時間にルーズな奴なのか?と自問していると、店の外から何かが近づいてくる音がしてきました。
引用:ジャンプスクエア1月号
それは、Qが自慢していたあの自動車の音で、バーの前まで来ると自動車から颯爽とボンドが降りてきました。
パターソンの隣に座り、遅れたと詫びるボンドに、パターソンは目立ち過ぎだと苦言を呈します。
そして、アータートンの指示で警視庁が厳戒態勢になり中に入るだけで二人以上によるダブルチェックが必要になった為、当初の予定(パターソンが手引きしてボンドを警視庁に侵入させる)が出来なくなったとボンドに告げます。
更に容疑者が捕らえられている五階の取調室の様子を語ります。
外階段からは入れず内階段からのみ出入りが出来る構造で、その階段を上った先の門扉はアータートンの息のかかった警官たちが警備している。
そしてそこへは特別な鍵がなければ入れず、その鍵を持っているのはアータートンだけ。
だから間違いなくその五階に裏帳簿があるに違いない。
そんな報告に怯む事なく、ボンドは予定通りに自分が帳簿を盗むと言いました。
強気なボンドに、パターソンは本庁に入るだけでも難しくなったのにどうするのか問います。
するとボンドはバーの中で女性にしつこく言い寄る男におもむろに酒をかけました。そして女性を逃がすと残った男と対峙しながら、パターソンに自分がこの男を倒した後に自分を逮捕するように言います。
そして見事にボンドはロンドン警視庁の地下留置場に入る事が出来ました。
引用:ジャンプスクエア1月号
留置場にボンドのスーツケースを持って来たパターソンは、ボンドにレストレードが無事にシャーロックを連れてきた事を告げます。
その報に、ボンドは作戦開始を宣言したのでした。
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今月の感想
ひたすらボンドがカッコいい回でした!
最初は見事にレストレードを意のままにしていたパターソンも、ボンドに関わるとタジタジですし、Qも完全に手玉にとられています。
しかもパターソンから予定していた方法で警視庁に入れないと聞くや直ぐに別の方法を思いつき実行に移すのも素晴らしい……
来月はそんなボンドがいかに五階を攻略するかが楽しみです。